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2008年04月11日(金) 10時21分

映画「靖国」 ジャーナリストや映画監督 会見で懸念表明毎日新聞

 ドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」の上映を中止する映画館が相次いだ問題で、ジャーナリストや映画監督ら12人が10日、東京都千代田区の参議院議員会館で記者会見を開き、上映への圧力に対する委縮ムードへの懸念を表明した。李纓監督も同席、「文化立国を目指してきた日本の国際的イメージにマイナスになる」と批判した。

 李監督は「デリケートな題材なので、映画館とは上映後の対策を協議し、一緒に頑張ると約束していたのに不思議だ。劇場側はどれほどの圧力をかけられたのか」と話した。

 月刊誌「創」編集長の篠田博之さんは「上映中止の連鎖反応として自粛ムードが広がっている。言論の自由を掲げるだけではだめで検証が必要だ」と発言。作品を鑑賞したジャーナリストの野中章弘さんは「上質なドキュメンタリー。日本人の精神構造や文化的土壌を考えようという問題提起があった」と評価した。

 漫画家の石坂啓さんは「私は映画をまだ見ていないし、見られないのは悔しい。我々からその機会を奪うのは由々しきことだ」と批判。映画監督の是枝裕和さんは「内容について『反日』だという意見があったとしても、それは上映した後に起こるリアクション。多様な意見を交わすことが成熟したパブリックのあり方ではないか」と述べた。【鈴木梢】

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