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2008年04月10日(木) 21時18分

上映中止や政治圧力に抗議 「靖国」で映画監督ら中国新聞

 ドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」の上映問題をめぐり、ジャーナリストや映画監督らが十日、参院議員会館で記者会見し「上映中止や政治圧力に抗議する」などと訴えた。

 靖国を撮影した李纓(リイン)監督も出席し、有村治子参院議員が「靖国刀」を作り続ける出演者の刀匠から事情を聴き「出演シーンの削除を希望した」と主張していることに「作品が成立できないよう働き掛けているとしか理解できない」と懸念を表明した。

 また「この問題を乗り越えることが、日本が文化大国に向かう道だと確信している」と述べた。

 ジャーナリスト田原総一朗さんは「隠し撮りせず正面から撮影しており、ナレーションも入っていない。偏向とか反日と決め付けるのは間違いだ」と内容を評価。上映中止については「映画館の親会社が問題になっては困ると考えた。そういう日本社会を責めるべきだ」と強調した。

 漫画家の石坂啓さんは「靖国や従軍慰安婦など、十年前は漫画にできたテーマも今はできない。見たいものを見る権利が奪われている」と指摘。

 「靖国」に文化庁の所管法人から助成金が出ている点を国会議員が問題視していることについて、映画監督の是枝裕和さんは「第三者機関で審査する助成金の使い道に、税金のチェックだと言って政治家が口を挟むのはおかしい」と話した。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200804100420.html