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2008年04月10日(木) 22時45分

<映画「靖国」>出演の刀匠「李監督は信用できない」毎日新聞

 映画「靖国 YASUKUNI」の中心的な登場人物で高知市の刀匠、刈谷直治(かりやなおじ)さん(90)と妻貞猪(さだい)さん(83)が10日、毎日新聞の取材に応じた。刈谷さんは「映画は刀作りのドキュメンタリーと聞いていた。李纓監督はもう信用できない」と不信感を募らせ、「出演場面をカットしてほしい」と話した。 

 映画では、靖国神社に軍服姿で参拝する団体など、境内でのさまざまな出来事とともに、第二次世界大戦中、軍人に贈る「靖国刀」を作った刈谷さんへのインタビューなどが全編にわたって登場する。

 刈谷さんによると、05年10月ごろ、知人を介して出演依頼があった。数カ月後、李監督ら3人が訪れて2日間撮影。昨年春ごろ、刈谷さん宅で試写が行われた。貞猪さんが「政治的な内容でダメだ」と言うと、李監督は「近いうちに代わりのものを送る」と話したが、連絡はないという。

 一方、李監督は10日の会見で「刈谷さんに作品を見てもらい、了承を得た。チラシに使うコメントとして、“誠心誠意”という言葉もいただいた」と述べた。

 刈谷さんは「上映をしてもいいと言ったことはないが、今さら何を言っても仕方がない。もう静かにしてもらいたい」と話した。【近藤諭】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080410-00000026-maiall-soci