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2008年04月09日(水) 02時35分

<PCI>国に事業費を水増し請求し裏金 詐欺で詰めの捜査毎日新聞

 国の遺棄化学兵器処理事業を請け負う大手コンサルタント会社「パシフィックコンサルタンツインターナショナル」(PCI、東京都多摩市)グループが、国に事業費を水増し請求して裏金を作っていた疑いが強いことが分かった。裏金の一部は、PCI元社長(71)の知人コンサルタント業者に送金されたことも判明。東京地検特捜部は、詐欺などの容疑で詰めの捜査を進めている模様だ。

 PCIのグループ会社「遺棄化学兵器処理機構」は04年度、中国での遺棄化学兵器処理事業を内閣府から約76億円で独占受注。事業の一部はグループ会社間で再委託が繰り返され、その間に事業費が不正に流用されたとして、特捜部は07年10月、特別背任容疑で関係先を捜索していた。

 関係者によると、再委託先の一つ「パシフィックプログラムマネージメント」は、弁護士を通じて計8500万円をPCI元社長に近いコンサルタント業者の口座に振り込んだが、業者は事業にかかわっていなかった。内閣府から機構に事業費が支払われた直後の送金だったことから、水増し請求分を流用した疑いが強いという。

 一方、PCIは03年9月期までの3年間に約2500万円の法人所得を隠し、東京国税局から使途秘匿金を含め、ほぼ同額の課税処分を受けた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080409-00000014-mai-soci