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2008年04月09日(水) 13時04分

「靖国」上映中止:7月以降、盛岡で上映 偏りないと判断−−フォーラム /岩手毎日新聞

 靖国神社を描いたドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」を上映中止とする映画館が東京都や大阪府で相次いでいる問題で、盛岡市大通2の映画館「盛岡フォーラム」を運営する「フォーラム運営委員会」(本社・山形市、長沢裕二代表)は、7月以降に上映することを明らかにした。東北の映画館で上映を表明したのはフォーラムが初めて。映画ファンからも期待の声が上がっている。【狩野智彦】
 盛岡フォーラムによると、映画「靖国」は日常を淡々と描いており政治的な偏りはない、と長沢代表が判断。八戸、盛岡、山形、福島の4市で上映する予定だという。注目の映画で、複写フィルムが配給会社に5本しかないこともあり、上映期間などの細かい日程は今後の調整で詰めていくという。
 映画の内容について、盛岡フォーラムの藤田秀夫支配人(33)は「靖国って何だ、という見る人の好奇心をくすぐる。考えるきっかけになれば映画として成功だろう」と狙いを話す。一部の保守系団体による妨害など、予想されるトラブルについては「06年に昭和天皇を描いた映画を上映してもトラブルはなかった。今回も何も起こらないのでは」としている。
 映画は滞日約20年の中国人、李纓(リイン)監督が10年かけて制作。第二次世界大戦中の靖国神社で軍人に贈る「靖国刀」を作った刀鍛冶へのインタビューや「靖国支持」という看板を掲げる米国人、A級戦犯合祀(ごうし)に抗議する台湾人遺族らがナレーションなしで映し出される。
 フォーラムでは上映日が決まり次第、ポスターの掲示など広報を開始する予定。5歳のころから映画に魅了され、さまざまなドキュメンタリー映画を見続けている盛岡市の販売事務員女性(61)は「映像は事実だし、史実に基づいて作っているだろうから見ておくべきだ。上映が楽しみ」と期待を寄せていた。

4月9日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080409-00000114-mailo-l03