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2008年04月09日(水) 13時44分

在阪楽団への運営補助金を大幅削減 橋下行革産経新聞

 国内オーケストラの草分け大阪フィルハーモニー交響楽団(大阪市西成区)と、大阪センチュリー交響楽団(大阪府豊中市)に対する大阪府の今年度の補助金が、いずれも削減されていたことが9日、分かった。関西フィルハーモニー管弦楽団(大阪市港区)と、大阪シンフォニカー交響楽団(堺市堺区)への補助金も予算化が見送られ、復活は不透明。在阪4楽団をめぐっては一昨年、財界トップが「4つを1つにしては」と発言して物議を醸したが、補助金大幅カットの流れは決定的で楽団統合の議論が再燃しそうだ。

 大阪府は今年度、橋下徹知事の指示で暫定予算を組み、7月までに全事業をゼロベースで見直して本予算を編成するが、削減の方針決定が明らかになった事業は今回が初めて。

 府文化課によると、大フィルには長年、府と大阪市、財界が約1億1000万円ずつ運営費を補助してきた。府は単独で9年度から減額を続け、20年度は前年度比500万円(7・4%)減の約6300万円。ただし運営に支障がでないよう、削減した通年予算の全額を暫定予算に計上した。

 センチュリーは府主導で平成元年に設立され、財団法人大阪府文化振興財団が運営。19年度は年間予算約7億5000万円のうち約4億2000万円が府の補助金が占め、府への依存度が最も高い。

 財団への補助金はこの3年間で計約4500万円カットしてきたが、20年度は単年度で約3000万円(7・1%)減の約3億9000万円に。暫定予算では4〜7月分の約1億3000万円を計上した。

 大手企業がスポンサーになっている関フィルと、シンフォニカーには毎年100〜150万円を補助してきた。20年度は「全事業費ゼロベース見直しの」の知事方針に従い、暫定予算には盛り込んでいない。

 在阪4楽団をめぐっては18年4月、行政の財政難や経済の低迷を背景に、関経連の秋山喜久会長が統合を提案したが、「大阪の文化をないがしろにしている」などと批判が続出。4楽団の理事長は昨年7月に会談し、互いの個性を尊重し共存することで合意した。

 それでもセンチュリーの場合、14年度から給与10%のカットと昇級をストップし、平均年収は44歳で約500万円。年10回の定期演奏会のほか、1回230万円の収入となる依頼公演などを年70回こなしながら協賛企業を募ることで、19年度は事業収入を前年比約40%増やし、運営費に占める補助金の割合を52%まで低下させた。

 府文化振興財団は「財政難の下で補助金カットは仕方がない。楽員はヘトヘトだが、今後も府への依存度を下げる努力を続けていくしかない」としている。

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