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2008年04月08日(火) 22時45分

<サブプライム>「損失は96兆円」IMFが金融報告毎日新聞

 【ワシントン斉藤信宏】国際通貨基金(IMF)は、8日公表した国際金融安定度報告で、低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題に絡む損失が、商業用不動産業界などへの波及分を合わせて、全世界で約9450億ドル(約96兆円)に達する恐れがあるとの見通しを明らかにした。IMFが正式な報告の中で100兆円近い損失見通しを示したのは初めてで、11日に米国ワシントンで開かれる先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)の議論にも影響を与えそうだ。

 報告は、米国の住宅価格下落や住宅ローンの焦げ付き増加で、住宅ローンに関連する証券化商品の評価損などが合計約5650億ドルまで増えると予測。このほかにサブプライム問題波及による商業用不動産や消費者金融市場、企業向け融資などの焦げ付きを合わせると、損失総額は約9450億ドルに上ると試算した。

 また、自己資本不足の金融機関による貸し渋りや貸しはがしが実体経済に大きな影響を及ぼすと警告。サブプライム問題の影響が深刻化、長期化する可能性があると結論付けている。

 報告は半年ごとに金融市場の現状と問題点を分析、公表している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080408-00000159-mai-bus_all