元特捜検事で元弁護士の田中森一(もりかず)容疑者（６４）（別の詐欺事件で服役中）が刑事事件の依頼者から９０００万円を詐取したとされる事件で、大阪地検特捜部は７日、詐欺容疑で田中容疑者を逮捕した。
田中容疑者は大阪弁護士会所属だったが、最近は活動拠点を東京都内のホームページ運営会社に移しており、特捜部は同日、同社や都内にある田中容疑者の自宅など十数か所を捜索した。
地検によると、田中容疑者は２００２年１０月７日、出資法違反容疑で元部下が摘発され、福岡県警の捜査対象とされた貸金業の男性（４５）から相談を持ちかけられた。その際、「（多額の現金を持っていることが）警察にばれると、君が店の上がりを受け取っていたことになり、（共犯として）起訴される」などと言い、９０００万円をだまし取った疑い。男性は刑事責任を問われなかった。
田中容疑者は、石油卸商社を巡る手形詐欺事件で懲役３年の実刑が確定して弁護士資格を失い、先月３１日に収監された。この刑期は今回の逮捕でも影響を受けず、収容中の大阪拘置所で特捜部の調べを受けながら、刑の執行も継続することになる。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080407-OYT1T00408.htm