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2008年04月07日(月) 16時18分

国、県の敗訴確定 鹿児島冤罪事件接見妨害訴訟 控訴を断念産経新聞

 鹿児島県議選の選挙違反冤罪(えんざい)事件で、捜査機関による接見内容の聴取を違法と判断し、国と県に計550万円の賠償を命じた鹿児島地裁判決に対し、鹿児島地検と鹿児島県警は控訴期限の7日、控訴を断念すると発表した。訴えを起こした弁護士11人も控訴しないことを表明し、国、県敗訴の判決が確定した。

 鹿児島地検は「判決と見解を異にする部分もあるが、事件については反省すべき点も少なくないことを考慮した」とコメント。「反省点を真摯(しんし)に受け止め、捜査・公判の一層の適正確保に努めていく」とした。

 鹿児島県警も「個々の事実認定や評価には見解が異なる部分もある」としながらも「事件については反省、教訓とすべき事項も少なくないことにかんがみ、控訴を見送る」と説明した。

 3月24日の判決は、容疑者や被告に接見内容を報告させることは許されないとし、自発的な供述であっても刑事訴訟法が定める接見交通権を侵害すると指摘。弁護士とのやりとりを聴取して作成された調書76通のうち54通について違法性を認定した。

 冤罪事件では元被告12人の無罪が確定した。

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