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2008年04月07日(月) 12時29分

ナボコフの罪な「遺言」COURRiER Japon + hitomedia

少女性愛の代名詞にもなった名作『ロリータ』で知られる、ロシア生まれの米国人作家、ウラジーミル・ナボコフ。1977年に亡くなった彼の遺言が実行されるのかどうか、いま世界の文学愛好家や研究者が固唾をのんで見守っている。
その遺言とは、ナボコフの「遺作」についてのもの。彼が死の間際まで書き綴っていた未完の小説『The Original of Laura(ローラの原型)』の原稿は、スイスの銀行の貸し金庫に30年ほど保存されてきた。しかし、そもそもこの原稿についてナボコフは、相続人である妻ヴェラに、死後すぐに破棄するように明確に指示していたという。結局その遺言を実行できないまま、ヴェラが91年に亡くなってしまったため、遺言の実行は彼の息子ドミトリ(73)に委ねられることになった。
ナボコフのロシア語作品を英語に翻訳するなど、自身も文学研究家として名高いドミトリ。彼は遺作を読んだことがあり、その文学的価値を誰よりも知っている。それだけに遺言の実行にためらいがあったが、自分も高齢になってしまったため、そろそろ決着をつけるべきだと感じているようだ。

タイムズ2(UK)より。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080407-00000000-cou-int