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2008年04月07日(月) 18時58分

<防衛省改革>調達は「専門性高い」…報告書は「尻すぼみ」毎日新聞

 政府の防衛省改革会議(座長・南直哉(のぶや)東京電力顧問)は7日、守屋武昌前防衛次官の汚職事件を受けて同省がまとめた装備品調達改革の最終報告書について議論した。98年の防衛庁調達実施本部(当時)の事件以降、相次ぐ不祥事に抜本的な改革の必要が叫ばれたが、今回、官邸や与党の関心は同省の組織改革に集中。調達改革は「専門性が高い」と同省に一任され、守屋事件も収束ムードとあって議論は「尻すぼみ」になった。

 防衛省が3月末に公表した報告書は、見積書を海外メーカーに直接照会▽水増し請求には差額の2倍の違約金を徴収−−などが柱。石破茂防衛相は当初、商社を介さない直接契約を検討するよう指示したが、「商社に代わる専門家を養成、増員するのは困難」と異論が噴出。結局、直接契約の数値目標などは示さなかった。また、論点になるとみられた武器輸出3原則のあり方は、報告書に単語すら盛り込まれなかった。

 この日の会議では「まずどんな装備が必要かを国民に説明する必要がある」「購入品の有効性を防衛省が自己点検する制度にすべきだ」などの意見が出た。ただ同会議には調達の専門家がおらず、「大体の論点は出た」(政府高官)と幕引きの方向。与党内も、石破防衛相が検討している内局と自衛隊の統合などの組織改革が焦点で、調達改革は二の次だ。

 さらに守屋前次官の事件が政界ルートに発展しておらず、政府が当初目指した構造的な調達改革への機運はしぼんでいる。このため「すぐやれそうな項目に絞った小ぶりな内容」(同省幹部)にとどまった。【松尾良】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080407-00000080-mai-pol