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2008年04月07日(月) 19時07分

福島の社保事務所、職員の給与改ざんし厚生年金不正受給 78〜82年産経新聞

 福島県いわき市の平社会保険事務所の所長ら元幹部職員4人が、昭和53年から57年にかけて、非常勤職員3人の標準報酬月額(月給)を改竄(かいざん)し、厚生年金計107万円を不正受給させていたことが7日、分かった。社会保険庁は発覚当時、刑事告発や公表をしておらず、昨年まとめた職員の着服・不正受給リストにも「該当事案でない」として掲載していなかった。
 社保庁によると、4人は当時の所長2人と総務課長、業務一課長。4人は、53年7月〜54年3月に非常勤社会保険相談員2人分、残る1人については55年5月〜9月と55年11月〜57年2月の標準報酬月額を低く改竄していた。
 3人は非常勤職員をしていた際にはすでに年金受給者で、収入が多くなると受給額が減ることから、標準報酬月額を低く見せかけることで受給額の目減りを防いでいた。
 所長の1人は当時の内部調査に「相談員の1人が事務所OBで要求があった」と説明。社保庁は3人に不正受給分を返還させ、57年4月に所長2人を減給1カ月、総務課長を戒告、業務一課長を訓告処分とした。関与した7人はすでに全員死亡しているという。
 標準報酬月額をめぐる改竄については、総務省の年金記録確認第三者委員会で17件発覚し、野党側は社保事務所による関与を指摘していた。今回、組織的な関与が判明したことに民主党は批判を強めており、全国的な関与がなかったが今後の焦点となりそうだ。

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