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2008年04月06日(日) 08時00分

ヘルシア緑茶に除草剤、男性吐き出す「キャップ緩い」産経新聞

 東京都練馬区のスーパーで購入した花王の特定保健用食品「ヘルシア緑茶」を飲んだ会社役員の男性(43)が下痢を訴え、除草剤などに含まれる成分が大量に検出されたことが5日、分かった。男性は「キャップが緩んでいた気がする」と話しており、警視庁捜査1課は薬物が意図的に混入された可能性があるとみて、威力業務妨害の疑いで捜査。購入先のスーパーにあったほかの同緑茶で被害は確認されておらず、流通過程などでの混入の疑いがあり、スーパーの防犯カメラ15台の映像を解析するなど混入経緯を調べる。

 警視庁科学捜査研究所の鑑定の結果、混入物は市販の除草剤に含まれる「グリホサート」と推定されると判明。この成分を含む除草剤は公園などの雑草除去に使用される。毒性は非常に低いが、中毒を起こすと吐き気や下痢などの症状が出るという。調べでは、男性の妻が3月26日、練馬区東大泉のスーパー「ライフエクストラ大泉学園駅前店」で「ヘルシア緑茶」350ミリリットル入りペットボトル2本を購入。男性は27日に1本飲んだが異常はなく、31日にもう1本を口に含んだところ、苦みや洗剤のような味がすることに気付き、吐き出して花王に連絡。花王と男性が警視庁に被害を届け出た。

 記者会見した花王によると、男性が購入した製品は3月5日に山口県で製造。20日にスーパーに納入、26日まで店頭に並んだ。花王は同じ製造日の33万本のうち、在庫の2万本の出荷を中止。ほかの製品に異物混入はなく、男性以外の健康被害もない。花王は「製造段階での混入はない」と説明。製造工場で除草剤などの農薬を使用しないことなどから、捜査1課は流通過程などで何者かが意図的にキャップを開け、薬物を混入させた可能性があるとみている。ヘルシア緑茶は平成15年に発売。国が健康への効用を示す表示を許可している特定保健用食品で、「脂肪を消費しやすくなる」などとうたった年間300億円程度のヒット商品。花王は「開封されている製品は飲まないでください」と呼びかけている。問い合わせは花王消費者相談室フリーダイアル0120・501・243。

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