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2008年04月06日(日) 02時30分

<道路特会>残業代にも支出…地方整備局の一部職員 国交省毎日新聞

 国土交通省職員の約2割の人件費が道路特定財源を原資とする道路整備特別会計(道路特会)から支出されている問題で、一般会計から給与を支給されている地方整備局の一部職員が、超過勤務手当に限って道路特会から受け取っていることが分かった。06年度の支給総額は3億5600万円に上っている。道路特会から超勤手当を支給するかどうかは事実上所属長の裁量で、1人で年に450万円受け取った職員もいる。使途が明確でない道路特会の運用に改めて批判が集まりそうだ。

 道路特会からの人件費は予算定員が決められており、地方整備局の一部職員と国道事務所の職員などが対象。06年度の定員は約8000人だった。

 しかし、基本給や種々の手当などの人件費を一般会計から支給している「一般会計職員」の一部も、超勤手当に限って道路特会から受け取っていた。国交省によると、道路特会から支給されるケースは、道路整備行政に関係する各種の調査業務や契約業務などに従事した場合だが、通常業務との違いは明確でなく、所属長の裁量で支払われているのが実態だ。

 近畿地方整備局では、道路部計画調整課の課長補佐級の一般会計職員が03年度に約450万円の超勤手当を道路特会から受給。北陸地方整備局の係長級職員も04年度に約300万円を支給されていた。同省道路局総務課の担当者は「超勤手当を道路特会から支給するかどうかは、成文化された基準がない」と話し、恣意(しい)的な特会運営を認めている。

 道路特会からの人件費支出は、道路特会が創設された1958年度から続いており、超勤手当も含め、総額は06年度までの49年間で2兆3400億円に達している。74年度以降、ガソリンの暫定税率は計8回延長され、人件費が暫定税率によって支えられている構図が明らかになっている。【田中謙吉】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080406-00000007-mai-pol