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2008年04月06日(日) 19時18分

ガソリン価格・仁義なき闘いツカサネット新聞

昨年秋より、生活物資の値上がりが相次いだ。それでもまだ飽き足らず、第二弾の値上がりが予定されているものもあり、消費者にとってはほんとうに頭が痛い。こんな世の中に誰がした!文句のひとつもいってやりたい!

そんな中、ガソリンの暫定税率の廃止が大揺れに揺れ、年度末のタイムリミットまでカウントダウンに入っても煮え切らない状態が続いた。国会での「ツルの一声」は、消費者はもちろんのこと、ガソリンスタンド関連で働く人たちにとっては死活問題だ。

ガソリン価格は「蔵出し税」といって精油所から出荷される日により価格が決まる。つまり、4月1日になっても、街のガソリンスタンドには3月までに仕入れた在庫がある。それが底をつくまで価格は下がらない。また、そうしないと店は採算が取れないのだ。

年度替りの早期に価格が下がることは期待できない。そうしているうちに、また暫定税率の見直しがなされるだろう。だから、せこいことを考えずにガソリンはお腹いっぱい入れておくほうが安心だ。3月中旬に給油したとき、私はそう考えていた。

ところが、煮え切らない国会を横目に、赤字覚悟で4月1日からガソリン価格の値下げを決行するガソリンスタンドが増えた。競合店が林立するところでは、顧客を取られる可能性もあるので、他店の動向も気になる。

大手チェーン店などは、本店からの指示があり独断ができないところはあるが、小さな店は値下げに踏み切らざるを得ない。ある店では、1日あたり10万円の損失が出るだろうとのこと。売上額からではなく、利益相当分からのマイナスだから、打撃は深刻だ。しかし、そうでもしないと顧客を確保できず、今後の経営がやっていけないという。

消費者も4月1日の値下がりを確信して、買い控えが目立つようになった。そのため、年度末を目前にして、10リットル単位とか2,000円分とか当座に必要な分だけ購入する人も増えた。また、多少の距離なら遠出をしてでも安いガソリンを求める人も増えた。

さらにぎりぎりまでがまんして、ガス欠で動けなくなる人もいるそうだ。JAFに救出を頼んだケースもあるが、結局はガソリン代だけは自己負担。当然といえば当然の話だ。

今回のガソリン騒動は消費者にとってはある意味うれしい話。しかし、経営の現場では死活問題に値する。首相は謝罪会見を行っていたが、国民の痛みをほんとうに理解しているのか、その無責任な姿がまたひとつ浮き彫りにされた。国政を立て直すために一般庶民が協力する?もういい加減にしてほしい!


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(記者:翔子)

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