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2008年04月05日(土) 08時26分

ガソリンさらに8.1円下がる 週末、給油ラッシュもフジサンケイ ビジネスアイ

 ■GS・元売り再び臨戦態勢

 石油情報センターが4日発表した臨時価格調査によると、3日現在のレギュラーガソリン1リットル当たりの店頭価格は全国平均で134・3円となり、1日時点に比べ8・1円値下がりした。1リットル当たり約25円の暫定税率が失効する前日の3月31日に比べると18・6円の値下がり。暫定税率が課せられた高い3月出荷の在庫の“出血値下げ”に加え、在庫が売り切れ安い4月出荷の販売も始まり、値下がりに拍車がかかった。

 今週末には店頭の3月在庫がさらに減少し、もう一段の値下がりが予想されており、1日以上の給油ラッシュとなる懸念もあり、石油元売り各社や全国のガソリンスタンド(GS)は品切れなどによる混乱を回避するため再び臨戦態勢に入った。

 「正直、週末の需要がどうなるか分からない」。出光興産の幹部は、多くの一般ドライバーが給油する週末の需要に警戒感を強めている。

 多くのGSでは「通常時でも週末には平日に比べ1・5倍程度の需要がある」(大手元売り)という。値下げが全国的に広がるなか、今週末を待っていたドライバーが殺到する可能性もある。

 ジャパンエナジーの5日出荷分の受注量は前年実績比10%増、6日分も50%増と高水準。各社ともタンクローリーのドライバーを通常より2〜3割増やすなど配送能力の増強を図っている。しかし、「需要が予想以上に増えると、配送できない事態も考えられる」(出光幹部)と懸念している。

 各社とも今週末を「暫定税率期限切れ後の最大の山場」(出光)と位置付けており、石油連盟の渡文明会長が事前に予測した「通常の15万キロリットルから200万キロリットルに急増する」という事態も想定している。

 ただ、全国的に値下げ広がり、店頭価格が横並びとなるなか、「顧客が分散化するのでは」(都内GS店長)との声も。ジャパンエナジーでも「特定の店舗に顧客が集中するリスクは初日の1日よりも小さい」とみている。

 一方で、週末を利用し、ポリタンクなどにガソリンを買いだめするドライバーが増えるのではと懸念されている。揮発性の高いガソリンをポリタンクに入れることは、爆発などの恐れから消防法で禁じられており、通常のGSでは買えないが、セルフ式では監視の目が行き届かない恐れがある。

 石油連盟や全国石油商業組合連合会は4日、ポリ容器でガソリンを保管しないよう呼び掛けるポスターを全国のGSに掲示すると発表した。ポスターで「引火しやすく、危険性が高いことを知ってほしい」と呼びかけることで、事故を避けたい考えだ。また、全国のセルフスタンドでも、監視態勢を強化するとしている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080405-00000001-fsi-bus_all