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2008年04月05日(土) 14時03分

ヘルシア緑茶に除草剤混入 東京で購入男性が下痢症状朝日新聞

 東京都練馬区のスーパーで販売された花王の「ヘルシア緑茶」(350ミリリットル入りペットボトル)を飲んだ同区内の会社役員の男性(43)が、異常なにおいなどを感じ下痢を起こしていたことがわかった。男性はまもなく回復したが、警視庁の鑑定などで除草剤の成分が検出された。警視庁は、何者かが意図的に除草剤を混入した可能性が高いとみて、威力業務妨害などの疑いで捜査を始めた。

花王の「ヘルシア緑茶」

 捜査1課の調べや花王の発表によると、男性の家族が3月26日にスーパーで2本購入。男性が同月31日夜に1本を飲んだところ、薬品のようなにおいや苦みを感じ、一口だけではき出した。もう1本は同月27日に飲んでいたが異常はなかったという。男性は31日夜、花王側に連絡。同社が調べたうえで3日に警視庁に連絡した。

 この2本はスーパーの陳列棚に20日夜から並べられていた。除草剤が混入されたペットボトルは外見上明らかな異常はなかったが、男性は31日に飲んだボトルについて「ふたが緩かったような気がする」と話しているという。

 花王の分析や警視庁科学捜査研究所の鑑定で、除草剤の一種「グリホサート」とみられる成分が検出された。除草剤成分は多量に含まれていたが、すべて飲んでも致死量には達しない程度とみられる。

 このスーパーでは、花王からの要請で、ヘルシア緑茶を撤去した。スーパーの経営会社は「当該の店舗でトラブルなどは聞いていない」としている。

 ほかに被害の相談はないという。花王が、この商品を製造した山口県内の委託工場で保存品を分析したところ異常は認められなかった。同社は同じ日につくったヘルシア緑茶のうち、物流拠点に残っている在庫の出荷をとめた。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/national/update/0405/TKY200804050081.html