花王の特定保健用食品の健康飲料「ヘルシア緑茶」を飲んだ東京都練馬区の会社役員男性（43）が、下痢の症状を訴え、緑茶から除草剤の成分が検出されたことが五日、分かった。男性の症状は軽く、購入先の東京都練馬区のスーパーにあったほかのヘルシア緑茶では、被害は確認されておらず、商品の回収はしないという。
花王が同日、発表した。男性は「ふたが緩かった気がする」と話しているという。除草剤が意図的に混入された可能性があり、警視庁捜査一課と石神井署は、威力業務妨害の疑いもあるとみて捜査を始めた。
調べなどによると、男性の妻が三月二十六日午後六時四十分ごろ、自宅近くの練馬区東大泉五丁目にあるスーパーで、三百五十ミリリットル入りペットボトル二本を購入。二十七日に一本を飲んだが異常はなく、三十一日夜にもう一本を飲もうと口に含むと、漂白剤のようなにおいと苦い味がしたため、吐き出した。
男性から三十一日夜に連絡を受けた花王が調べ除草剤の混入が判明、警視庁に届け出た。ペットボトル一本を全量飲んでも、致死量には達しない濃度だったという。
花王などによると、ヘルシア緑茶を製造したのは委託先の「日本果実工業」（山口市）。製造日の三月五日には約三十三万本が生産された。埼玉県内の二カ所の物流センターを経て、二十日に練馬区の店舗に入り、二十一日から店頭に陳列された。
花王は、購入時に開封されている可能性のある製品は飲まないよう呼び掛けている。連絡先はフリーダイヤル（０１２０）５０１２４３。