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2008年04月04日(金) 15時12分

文科省の前部長、国立大整備巡る収賄で逮捕…五洋建設関連社員から現金読売新聞

 文部科学省文教施設企画部の大島寛・前部長(59)(昨年3月退職)が在職中、国立大学の施設整備事業を巡って、大手建設会社「五洋建設」の関連会社社員から現金を受け取っていた疑いが強まり、警視庁捜査2課は4日、収賄容疑で大島容疑者を逮捕した。

 大島容疑者は国立の文教施設の整備を統括する同部のトップに上り詰めたキャリア技官で、捜査2課では、五洋建設側との長年の癒着の中で、施設整備計画などの情報も漏らしていたとみて解明を進める。

 発表によると、大島容疑者は、国立大に関する工事の入札などで受注に有利になるよう便宜を図った見返りに、五洋建設の関連会社社員から現金数十万円を受け取った疑い。

 大島容疑者は東北大工学部出身のキャリア技官。1972年、旧文部省に入省し、国立大学の校舎や付属施設の整備を担う文教施設企画部の課長や技術参事官を歴任、2005年4月に同部長に就任した。同部は、国立大学が法人化した2004年以降、スポーツ施設や遺跡など、その他の国立施設の整備を主に担当しているが、現在も国立大学の整備計画や予算の配分を行っている。

 捜査関係者によると、現金を渡したとされる五洋建設の関連会社社員は、業界側の要望を各社から取りまとめて大島容疑者に伝えるとともに、同省の整備計画などを大島容疑者から聞き出していたとみられる。

 捜査2課では、大島容疑者に対する現金の提供や接待などが以前から続いていたとみて追及する。同省の文教施設の入札を巡っては06年、同省OBが在籍する民間企業の受注率が高いなどの問題点が国会でも指摘されていた。

 大島容疑者は退職後、国立高等専門学校機構に移り、現在は沼津工業高専(静岡県沼津市)の校長を務めている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080404-00000038-yom-soci