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2008年04月04日(金) 00時00分

利用者の助け合いで英語力向上読売新聞

 無料で英語を学べるソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「iKnow!」が好調で、昨年10月のオープン以来、約13万人の会員を集めている。これまでのパソコンを使った学習(eラーニング)と何が違うのか。運営会社「セレゴ・ジャパン」(東京・渋谷)のマイケル長谷川シニアバイスプレジデントにサイトの特徴を聞いた。

コンピューターを使った反復学習

マイケル長谷川  まいける・はせがわ
セレゴ・ジャパン シニアバイスプレジデント
1961年東京生まれ。米シリコンバレーで20年間ハイテクビジネスに関わり、NEC米国法人などで営業・マーケティング戦略を担当。2003年7月に帰国後、デル・ジャパンの営業本部長を経て、07年4月から現職。
——どのような方法で英語を学ぶのでしょうか。

長谷川 iKnow!はもともと当社が開発した反復学習のシステムです。

 従来の反復学習の典型的な例と言えば単語帳です。単語帳を使った勉強では、覚えたか覚えていないかの判断を自分自身でしていました。

 iKnow!は、コンピューターが繰り返し問題を出し続け、その回答によって利用者が英単語を本当に覚えたかどうか判断してくれます。この仕組みで、2003年に日米で特許を取得しました。

——具体的な反復学習の進め方を教えてください。

長谷川 データベースを使い、一人ひとりの利用者に対して、単語ごとの記憶定着率を割り出しながら問題を出題します。

 利用者は最初に、「基礎英語」や「TOEIC対策」など8つのチャンネルの中から目的のものを選びます。チャンネルの中にはレベルや内容によって分けられたコースがあり、それぞれ100〜200の単語や熟語を学びます。解き終わると次に進みますが、コンピューターが「覚えた」と判断するまでは同じ単語が何度も出てきます。

 それぞれの単語にはネイティブスピーカーによる発音や関連画像が付いており、それを基にした聞き取り問題やつづりの穴埋め問題など、自分で発音する以外のありとあらゆる角度から問題が出されます。文字、画像、音声をフルに使った学習は、効率よく物事を覚えられるとされています。

——「単語を覚えた」というのはどのような基準で判断されるのですか

長谷川 出題の際、コンピューターから利用者に対して「意味がわかりますか?」と質問を投げかけ、「はい」「いいえ」「もしかしたら」の三者択一で答えを選ばせる。「いいえ」を選んだり、「もしかしたら」を選んでも答えられたりすれば良いのですが、まずいのは「はい」を選んで間違えた場合。これは誤った認識を持っていることになるので、根本から学び直さなくてはなりません。

 それに加えて、解答までの時間もデータベースに蓄積しています。解答速度や認識度合いなどのデータをもとに記憶定着率を割り出し、今後の学習内容を決めていくのです。

 いつまでに終わらせたいという期限も設定でき、学習スケジュールを自動的に計算してくれます。

——iKnow!での学習はパソコンがないとできないのでしょうか

長谷川 基本はパソコンを使った学習ですが、携帯電話でも可能です。同じデータベースを使っているので、パソコンの続きを携帯電話で勉強できますし、その逆もできます。

 また、リスニングに特化しますが、インターネットで音声情報を提供するポッドキャストもあります。他社の英語学習ポッドキャストは既成の音声ファイルを配信していますが、iKnow!では学習した10単語ごとにファイルを配信しますので、勉強の進み具合に応じて内容が変わります。

 最近では任天堂の家庭用ゲーム機「Wii」を使い、ゲームをしながら勉強できるようにもなりました。

http://www.yomiuri.co.jp/net/interview/20080404nt0e.htm