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2008年04月04日(金) 11時57分

“効果なし”道路広報、ムダは29億円…国交省認める読売新聞

 道路特定財源を原資とする「道路整備特別会計」から、国土交通省が2006年度、道路開通のPRイベントなど「広報広聴経費」として支出した計約96億円のうち3割にあたる約29億円分で、効果が見込めなかったり、疑わしかったりしていることがわかった。

 冬柴国交相が4日の閣議後の記者会見で発表した。約29億円の中にはミュージカル上演費やコンサート、祭りの開催費用も含まれる。同省は「国民の目線に立ち、誤解を受けかねないものは支出しない」として、今後は同費の支出の半減を目指したいとしている。

 同省の広報広聴経費は、出先機関の国道事務所などが支出した道路事業費や道路調査費の中に盛り込まれているため、同省が出先機関を通じて集計。約96億円のうち、道路の開通式典など効果が見込めるものは約67億円で、残りは効果が疑わしいか、見込めないとしている。

 このうち、効果が見込めないのは約4億円分で、道路整備に理解を求めるミュージカル「未知普請(みちぶしん)」の上演費(約9000万円)、コンサート・祭りなどの開催費(約4000万円)、道路の仕組みなどを紹介する「道の資料館」の運営費など(約1億7000万円)など。
 効果が疑わしい約25億円は、環境に配慮した運転を呼びかけるPR活動「エコロード」の広報や、写真コンテスト・作文コンクールなどの費用からなっている。

 同省は今後、この分野の支出について現場の事務所長の権限で実施できる範囲を1件あたり「1700万円未満」に限定、「500万円以上」は上部機関の承認を求めることにする。HPなどで支出内容も公表する。

 広報広聴経費のずさんな使途を巡っては、03〜06年度のミュージカル「未知普請」(約5億8000万円)、04年度の人気歌手によるCD制作(約1060万円)などが判明しており、同省は、取りやめることをすでに公表している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080404-00000023-yom-soci