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2008年04月04日(金) 10時00分

値下げガソリン出荷スタート日刊ゲンダイ

 ガソリン税の暫定税率が1日午前0時に失効したのを受け、全国の製油所で「値下げガソリン」の出荷が一斉に始まった。暫定税率分の25円安いガソリンが各地の給油所に順次運び込まれる。ただ、ほとんどの給油所は年度末までに仕入れて暫定税率がかかった「高いガソリン」の在庫が残っている。そのため石油元売り企業は、さまざまな対応を示している。
 最大手の新日本石油はガソリンスタンド(GS)に供給する卸売価格が2パターンになる。1日以降に製油所から出荷する分は新税率を適用して1リットルあたり25円を差し引くが、すでに配送基地にある在庫分はそのまま。
 一方、業界2位の出光興産をはじめ昭和シェル石油、コスモ石油、新日鉱ホールディングスなどは製油所と配送基地にかかわらず、新税率で出荷する。買い控えしていたユーザーが殺到すると見込まれ、GSからの注文は急増している。
「特約店からの注文はガソリンで1.6倍、軽油で1.2倍に増えました」(新日鉱)
「注文は1.3倍です。そのためタンクローリーの台数を3割増やしました」(出光)
「配送のスタート時間を早め、終了時間を遅くして注文に対応します」(昭和シェル)

●ライバル店に足並み揃えるところも
 各地のGSも、ライバル店をにらみながら攻防を繰り広げている。値下げを決めていた佐藤燃料渡給油所(福島市)は、4月1日の午前0時から1リットル=148円だったレギュラーガソリンを123円で販売。山口県内で店舗を展開する販売会社は、1日朝にスタッフをライバル店へ送り出し、ガソリンを「試し買い」させる。多くの店が値下げに踏み切っていれば、足並みを揃える計画だ。熊本市の「アイビー石油」は期限切れの4時間前に値下げを決めた。損失は5店舗で200万円に上るという。
 石油情報センターによると、都内のレギュラーガソリンの小売価格は155.2円(3月24日現在)。が、「すでに130円前後での販売を決めているところもあり、GSの多くが何らかの値下げを実施する公算が大きい」(経済ジャーナリスト)とみられている。ドライバーには朗報だ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080404-00000007-gen-ent