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2008年04月03日(木) 15時02分

<裁判員制度>最高検、調書「一問一答」 取り調べで活用へ毎日新聞

 鹿児島県議選買収無罪事件や富山冤罪(えんざい)事件などで自白の強要が問題になったことを受け、最高検は3日、必要に応じて容疑者の供述調書を一問一答形式にすることや、取り調べへの苦情を上司が調査することなどを盛り込んだ「取り調べ適正確保方策」を公表した。一問一答形式の調書は、来春始まる裁判員制度で市民から選ばれた裁判員に分かりやすい立証をする狙いもある。

 従来の供述調書は、「今から〇〇の事件についてお話します。私は……」といった一人称の文体で書かれるケースが多かった。取調官の質問と容疑者の答えを一問一答形式で記載すれば、認めている部分と否認している部分を明確にでき、調書が法廷で朗読される際に、容疑者が自分の意思で供述したことを裁判員に納得してもらいやすい利点がある。

 また、言葉の不自由な容疑者などが自分の言葉で詳細に供述できないケースもあり、こうした場合は取り調べの実情を一問一答形式で忠実に反映させた方が調書の信用性が増す効果もあるという。検察当局は既に、一部で一問一答形式の供述調書を採用しているが、今後さらに積極的に活用していく。

 「取り調べ適正確保方策」にはこのほか▽取り調べに対する苦情があった場合は、上司の担当副部長が調査して記録に残し、可能な範囲で容疑者か弁護人に説明する▽容疑者や弁護人から接見の申し出があれば、直ちに機会を設ける▽取り調べ時間などを記した報告書に容疑者の署名・押印を求める−−なども盛り込んだ。今月中に全国の高検と地検に通達する。

 警察官の取り調べに関しては、全国の警察本部や警察署に「取り調べ監督官」を配置することが決まっている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080403-00000063-mai-soci