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2008年04月02日(水) 08時02分

「後期高齢者」→「長寿」に突然改名 医療制度、初日にドタバタ産経新聞

 厚生労働省は1日、この日にスタートしたばかりの75歳以上を対象とする「後期高齢者医療制度」の名称を「長寿医療制度」に変更すると発表した。スタート初日に、制度の名称を変えるのは極めて異例。ただ、周知期間がないままでの変更だけに2つの制度があるかのように誤解される可能性があり、新たな混乱が起こりそうだ。

 急遽(きゅうきょ)変更となったのは「75歳以上を後期高齢者と呼ぶのは失礼」などといった世論の批判を受けて、福田康夫首相が同日の閣僚懇談会で舛添要一厚生労働相に変更を指示したため。厚労省は「長寿医療制度実施本部」も設置し、制度や名称変更の周知、相談体制の強化を図るとしている。

 後期高齢者医療制度をめぐっては、高齢者に「負担増につながる」などの不満の声が強く、野党4党は今国会に廃止法案を提出した。名称変更や実施本部の設置はこうした批判をかわす狙いがあるようだ。

 厚労省によると、「長寿医療制度」はあくまで通称で、公式文書などには引き続き「後期高齢者医療制度」も使用するという。ただ「突然の上からの指示だったので、使い分けの基準は決めていない」(幹部)というドタバタぶり。

 後期高齢者医療制度については、3月に2億5000万円もかけて政府公報を配布したばかり。あまりに場当たり的な対応に、野党は反発を強めている。

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【主張】高齢者医療 問題点を直視し改善図れ

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