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2008年04月01日(火) 19時26分

<裁判員制度>「参加する」6割…抵抗感根強く 最高裁毎日新聞

 最高裁が1日公表した「裁判員制度に関する意識調査」で60.3%の人が「裁判員に選ばれれば参加する」と回答した。06年12月に同じ設問で行われた内閣府の世論調査の65.3%より5ポイント低下している。制度スタートを来春に控え、国民の参加意識が高まっていない実態が明らかになった。

 調査は1〜2月、全国50の地裁管内ごとに20歳以上の男女を210人ずつ選び、計1万500人に訪問面接方式で実施した。

 調査によると「裁判員に選ばれれば参加する」と答えた人の内訳は▽参加したい4.4%▽参加してもよい11.1%▽あまり参加したくないが義務なら参加せざるを得ない44.8%。参加の意向を示した人の4分の3は「あまり参加したくない」という消極派だった。一方で「義務でも参加したくない」と答えた人が37.6%おり、依然として制度への抵抗感が根強いことが浮き彫りになった。

 辞退が認められる70歳以上を除くと「参加する」と回答した人は64.9%。「参加する」と答えた割合は若い世代ほど高く、男性が女性を上回った。地域別では、北海道や東北で「参加したくない」が5割近くに上った。大都市圏では比較的参加意識が高く、交通の便など地理的な要因が原因とみられる。

 裁判員になった時の心配(複数回答)は「責任を重く感じる」が75.5%で最多。「素人に行えるのか不安」64.4%、「裁判官と対等に意見を言える自信がない」55.9%などが続いた。参加に積極的な人ほど心配の程度は低かった。

 最高裁は「制度運用の一定水準には達していると考えているが、結果を分析したうえで、さらに積極的な参加意向を持ってもらえるよう適切なPRを展開していきたい」と話している。【北村和巳】

◆都道府県別参加意識◆

(北海道は地裁管内別)

◇「参加する」割合の高い上位

(1)千 葉  74.3%

(2)香 川  66.7%

(3)神奈川  65.7%

(4)東 京  65.2%

(5)埼 玉  64.8%

◇「参加したくない」割合の高い上位

(1)山 形  53.3%

(2)秋 田  51.0%

(3)函 館  49.5%

(4)旭 川  49.0%

(5)宮 城  48.6%

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080401-00000110-mai-soci