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2008年03月31日(月) 21時02分

<結核予防会>X線装置入札前に落札業者などの一覧表渡す毎日新聞

 医療用X線装置の入札を巡り、発注者の財団法人「結核予防会」(東京都千代田区)が落札業者や落札価格を指示する一覧表を入札前に参加業者に渡していたことが、公正取引委員会の調べで分かった。公取委は31日、同会に改善を要請した。また、疑惑が判明していた横浜、大阪両市発注分を含む5件で談合を繰り返したとして、独占禁止法違反(不当な取引制限)で2社に計1660万円の課徴金納付を命じるとともに排除措置命令を出した。

 2社は東芝メディカルシステムズ(栃木県大田原市)と島津製作所(京都市)。日立メディコ(東京都千代田区)も談合に加わっていたが、立ち入り検査前に自主申告していたため処分を免れた。

 結核予防会は予防啓発活動などを行う厚生労働省所管の公益法人。調べでは、04年4月〜07年6月、3社に20台総額約9億7000万円分の受注調整を行わせていた。罰則のある官製談合防止法が対象とする国や地方公共団体が50%以上を出資する団体ではないため、同法違反には問えなかった。

 同会の須田勝吉総務部長は「深くおわびする。(傘下の)支部の希望をできる限りかなえられるようにとの意図が働いた」と話している。【苅田伸宏】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080331-00000132-mai-soci