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2008年03月29日(土) 03時34分

au携帯「W42K」をリコール、発熱・破裂の可能性で読売新聞

 KDDIと京セラは28日、auブランドの京セラ製携帯電話機「W42K」の充電池が発熱して破裂する可能性があるとして、21万4349個を対象にリコール(回収、無償交換)すると発表した。

 充電池の表面にキズやへこみができるような衝撃を受けると内部の絶縁シートが損傷。充電を繰り返すうちに電池内部の温度が500度程度にまで上昇し、膨張して破裂する危険性があるという。

 2007年10月〜08年3月に、充電中に破裂したり発熱したりするなどの事故が13件報告された。このうち、青森県の女性が左腕に全治1週間のやけどを負うなど3人が負傷した。カーペットが焦げる火災もあった。

 問題の充電池は、京セラがNECトーキン(仙台市)から供給された電池に最終処理を加えたもので、06年5〜10月に出荷されたW42Kに搭載された。

 KDDIと京セラは当初、「顧客の使用状況による特殊な事故」と判断し、本格的な調査を始めたのは1月に入ってからだった。両社は3月14日に発熱原因を把握したが、交換電池の準備を優先したため発表がずれ込んだ。同日以降も2件の事故が報告された。

 KDDIの井上正広・執行役員常務は28日の記者会見で、「利用者にはおわびする。発表まで時間がかかったことも反省すべきと考えている」と謝罪した。

 問い合わせは京セラ(0120・600・924)かKDDI(0077・7・111)へ。

 KDDIの京セラ製携帯電話機では07年6月にも、NECトーキン製の電池を処理して使った充電池で発熱や膨張の恐れがあることが発覚。約3万4000個をリコールしている。

 NECトーキンは28日、今回の電池について「京セラの検査に合格し納入したもので、共同で事故品を解析した結果でも、製造工程上の問題は見つかっていない」とのコメントを出した。今後、原因をめぐって京セラとNECトーキンの対立が激しくなる可能性もある。

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20080328-OYT1T00547.htm