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2008年03月28日(金) 14時20分

「今の司法は絶望的」 吐き捨てる村上被告産経新聞

 「こんな無茶な決定が出るとは思わなかった。今の司法は絶望的だ」。28日、最高裁が上告を棄却する決定をしたことを知った村上正邦被告(75)は、こう吐き捨てた。かつては「参院のドン」と呼ばれ、権力の中枢にいた村上被告は、KSD事件で逮捕される直前に議員辞職して以降、政治の表舞台から姿を消した。その一方、近年は司法に対する激しい批判を展開していた。
 村上被告は福岡県生まれ。拓殖大学を卒業後、議員秘書などを経て昭和55年の参院選で初当選。宮沢改造内閣で労相に就任し、その後は自民党参院幹事長、同参院議員会長を歴任。平成12年に当時首相だった小渕恵三氏が倒れた際は、密室で後継を森喜朗元首相に決めた「5人組」の中で主導的な役割を果たした、まさに権力者だった。
 逮捕、有罪判決後は、一転してその権力を批判。特に司法には対決姿勢を鮮明にしている。
 昨年12月に東京都内で開かれた「冤罪(えんざい)と国策捜査」をテーマにした集会に参加した村上被告は、無罪を強く主張。
 昨年10月に出版された村上被告へのインタビューをまとめた書籍「我、国に裏切られようとも」(講談社)では、「裁判所も検察庁も本当にひどい」「司法の腐敗に気づかず、それを放置してきた政治家としての責任を今、痛感しています」と語っている。村上被告は同書で「腐敗した司法の中にも、腐っていない部分、正義が生きている部分があるんだ、その正義を見出したいと思って、いま最高裁で争っているんです」と述べていた。

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