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2008年03月26日(水) 19時55分

法科大学院の評価機関、愛知大は「不適合」と判断読売新聞

 法科大学院の評価機関「日弁連法務研究財団」は26日、大学院7校の評価結果を公表し、このうち愛知大(名古屋市)を「不適合」と判断した。

 司法試験対策の科目が多く、「法曹養成を目標とした法科大学院制度の目的に違背している」というのがその理由。全国の法科大学院74校のうち、これまでに15校の評価結果が出ているが、最低限必要な水準を満たさない不適合認定は初めてで、文部科学省は今後、愛知大に報告を求めたうえで、必要なら改善を指導する方針。

 同財団の評価報告書によると、愛知大は「法務総合演習」など必修の4科目の授業で、試験形式での答案作成と講評を毎回繰り返しており、その大部分が新司法試験に類似した出題形式だった。これについて報告書は「答案作成の技法指導に著しく偏っているのは重大な問題」と結論づけている。

 愛知大は、2006年に実施された第1回新司法試験の合格率が私大トップの72%で、「法律文書作成能力を養うための授業であり、受験対策の技法指導ではないが、今回の指摘を踏まえて改善を図る」とコメントしている。

 同財団はこの日、西南学院、福岡、独協、明治学院、創価、立命館の6校については「適合」と認定した。ただ、独協大は、専任教員が不足していたことを理由に再評価を受けるよう要請。立命館大に対しては「『新司法試験研究会』という別組織で教員が試験対策に関与しているのは適切ではない」と指摘した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080326-00000046-yom-soci