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2008年03月26日(水) 01時27分

わいせつ裁判「におい」で有罪 京都地裁、自衛官に判決朝日新聞

 京都府宇治市で昨年6月、20代の女性の体を触ったとして、強制わいせつ罪に問われた海上自衛官上村拓被告(21)=住所不定=の判決が25日、京都地裁であった。公判では被害女性が犯人の顔をはっきりと見ていなかったため、犯人の特徴として女性が記憶していた体臭が争点となった。三輪篤志裁判官は「女性は犯人と被告のにおいが同一だと識別しており、被告が犯人だと強く指し示している」と述べ、懲役2年執行猶予4年(求刑懲役3年)を言い渡した。

 女性は公判で、自宅アパート前で襲ってきた犯人は帽子のようなものをかぶり、顔をよく確認できなかったと証言。「犯人が逃げた後、汗くさい体臭がその場に残っていた。ボクシングのグローブに染みついたにおいと似ている」などと語り、犯人が立ち去った後に現場で声をかけてきた上村被告について「同じにおいがした」と述べた。

 上村被告は事件の約1カ月前に休暇をとったまま同府舞鶴市の部隊に戻らず、宇治市内で野宿をしていたという。捜査段階では犯行をいったん認めたが、公判では否認に転じた。「叫び声が聞こえたので、駆け付けたら女性がいた」などと無罪を主張した。

 しかし、三輪裁判官は判決で、女性が記憶しているにおいについて「程度がかなり強く、非常に特徴的な臭気。女性の判断は信頼に値する」と認定した。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/national/update/0325/OSK200803250088.html