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2008年03月26日(水) 20時51分

「家族全員地獄に」とウソ、宗教法人「幸運乃光」に業務停止命令読売新聞

 「神様に拝まなければ家族全員が地獄に落ちる」などというウソで客を不安に陥れ、高額な祈願料や供養塔の代金を支払わせていたとして、経済産業省は26日、宗教法人「幸運乃光」(千葉県袖ヶ浦市)に対し、特定商取引法に基づき、28日から3か月間の業務停止命令を出した。

 幸運乃光は「高島易断総本部」「高島易断崇鬼占相談本部」を名乗って人生相談や運命鑑定を行っている。宗教法人が、同法の業務停止命令の対象になるのは初めて。

 経産省によると、幸運乃光は、占いがどのような結果になっても、客を不安がらせて数百万円もの祈願や供養塔の購入を申し込ませるよう仕向けるマニュアルを作成していた。

 客から受け取った金額から会場代などを差し引き、残りを鑑定士と折半する仕組みで、25人いる鑑定士は「息子さんの運気がどんどん下がっている」「鑑定すると霊が見える」といったウソをついて祈願料などを払わせていたという。

 経産省では2003年以降、高齢者を中心に年間約500人が幸運乃光の「開運商法」の被害に遭ったとしており、一人あたりの被害額は934万〜146万円に上るとみている。

 「高島易断」は、ガスや下水道などの事業を興した明治期の実業家・高島嘉右衛門が創始。高島と無関係なのに高島易断を名乗る占いの流派は多く、経産省によると「高島易断総本部」もその一つという。

 幸運乃光は「業務停止命令の内容を代表が把握していないのでコメントできない」としている。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080326-OYT1T00561.htm