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2008年03月25日(火) 15時12分

葉書を使った振り込め詐欺を体験オーマイニュース

 21日、先週金曜のことです。

 仕事を終え、家に帰ると妻が怒り半分、不安半分でハガキを見せてくれました。
まずは写真を見て下さい。妻宛に届いた葉書の写しです。

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 通して読むと、不審な点が数カ所見えて来ます。大体、裁判取り下げ期日と記されている日付が葉書の届いたその日であること自体がいかがわしい。

 しかし、世間にすれてない人や当世事情に疎い方なら、不安を掻き立てられる内容です。私は世間勉強の意味を込めて妻に言いました。「とりあえず、この財団法人東京都財務管理局ってのがあるかどうかネットで検索してみなよ」と。

 ネット検索とは実に便利なものです。「東京財務管理局」はありますが、「東京都財務管理局」というものはありません。さらに、ここのいかがわしさを指摘してくれるサイトがゴロゴロ出てきました。

 いわゆる、何かの詐欺と分かってひとまずは安心。ですが、こういった行為を平気で行う連中を許すわけにはいきません。

 すぐに警察へ電話し、生活安全課の方と話しました。

 ハガキに書かれている連絡先へ電話をかけたとして、これがどのような展開でお金を巻き上げられる事になるのかが疑問だったのです。

 警察で教えてもらった手口はこうでした。まず住所や連絡先を尋ねられるそうです。それから、あの手この手でありがちな個人のミスを作り上げ、指定の口座に振り込めば何とかしてあげるという風に持っていく手口が一般的だそうです。

 振り込む前に「怪しい」と思い始めたら、脅しが入り、「会ってお話ししましょうか、お宅へ伺いますから」となるそうです。そうするうちに、段々うっとおしくなったり、相手に恐怖感を覚えて振り込む人もいるようです。

 ただ、実際に会って話をする事は相手も望んでいないので、こういった脅しをかけられても動揺する必要はないとのアドバイスもいただきました。

 このハガキの内容の詐欺は結構古くからあるみたいです。連絡先も記載されているので、警察はすぐに手を打てないのかと尋ねました。

 答えは、実際の被害者が出て、その人からの訴えがないと動けないとの事でした。警察お得意のいいわけ、「民事不介入」です。

 毎度毎度、被害者が大勢出てからでないと動かないシステムは何とかならないものかと思いました。こちらにとっては、思い当たる事がなくても不安にさせられるだけでも被害です。平和な生活の中に割り込んできて、お金をだまし取ろうとする犯罪は後を立ちません。仕掛けられるだけで不愉快です。

 電話で対応してくれた方は、「最寄の交番にそのハガキを届けてくれれば、参考として扱わせていただきます」と、丁寧に言ってくれましたが、私は市警の本署まで出向き、こういったものを野放しにしないでいただきたいと口うるさく言ってきました。

 とりあえずは警察にプレッシャーをかけるのが市民の務めではないかと思うのです。警察にとってはうっとおしいかも知れませんが、そう思われても早めの対処をしてくれる組織、システムに変わってくれることを望みます。

 まあ、それでも今回は丁寧に対応してくれた方々に免じて、警察に対する文句はこの辺にしておきましょう。

 警察で教えていただいた対処法をお知らせします。

 最良の方法は、連絡はしないで無視、だそうです。

 こちらに考える時間を与えず、「思い当たる事がないから連絡をして確認してみよう」と思わせることが、彼らの思うツボだとの事でした。

 届いたハガキの文面に、一カ所でも不審な点があれば、それは詐欺だと思ったほうが良いようです。なんとも嫌な世の中になったものですね。

(記者:大村 賢三)

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