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2008年03月24日(月) 10時00分

上映中止の劇場も出た「靖国」はどんな映画か日刊ゲンダイ

 靖国神社を題材にした映画「靖国 YASUKUNI」がさまざまな意味で注目を集めている。
「靖国」は日本在住の中国人監督、李纓(リイン)氏が97年から10年間かけて、8月15日の境内の光景を撮影したドキュメンタリー映画。今年2月のベルリン国際映画祭に正式招待され、ほかの世界の映画祭でも評判になっている。
 しかし、靖国問題にナーバスな一部の国会議員がこの作品に噛みつき、試写を見た自民党の稲田朋美議員などは「偏ったメッセージがある」とコメントした。また、映画に政府出資法人から750万円の助成金が出ていることから、「助成金にふさわしい政治的に中立な作品なのか」といった論争も起きているのだ。
 こうした反応を受けて、東京都内の映画館1館が、予定していた上映を取りやめた。問題作、話題作ということだろう。
 では、「靖国」は“映画”としてどうなのか? 試写を見た映画評論家の秋本鉄次氏はこう言う。
「『靖国』は政治家たちの参拝を支持する人、反対する人が入り乱れ、大騒ぎする様子などをナレーションなしで淡々と映し続けます。また、テレビがあまり放送しない遊就館のような珍しい建物、展示物もたくさん出てきます。靖国神社に行ったことがない人は、神社の意外な一面を知ることができるので、興味深く感じるかもしれません」
 映画は4月12日から渋谷「Q—AXシネマ」など都内3館と大阪1館で公開される。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080324-00000003-gen-ent