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2008年03月23日(日) 21時07分

8人殺傷、捜査に不備?警戒中、変装の容疑者に気づかず産経新聞

 「早く捕まえてごらん」−。金川真大容疑者は凶行の前日、自分の携帯電話から110番し、茨城県警を挑発していた。県警はこの日、約170人態勢で警戒。荒川沖駅にも防刃チョッキを着用した8人の捜査員を配置していたが犯行が起きるまで金川容疑者の姿を確認できなかったばかりか、犯行後にも容疑者自ら交番から通報するまで見失っていた。「死傷者を出してしまい残念至極」とする県警の対応に問題はなかったのか、議論を呼びそうだ。

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 金川容疑者から最初に連絡があったのは22日午後0時42分。三浦芳一さんの殺害をほのめかし、「早く捕まえてごらん」と一方的にまくし立てた。2度目の連絡は約1時間後の午後1時38分。問いかけには応じず、無言で電話を切った。

 県警は、最初の連絡が荒川沖駅周辺、2度目がJR取手駅周辺で発信されたことを確認。警視庁や千葉県警、JR東日本にも協力を依頼し金川容疑者の行方を追っていた。だが、金川容疑者の最近の写真を持っていなかったという捜査員は誰一人、頭を刈りニット帽をかぶってメガネをかけ変装していた金川容疑者に気づかなかった。

 金川容疑者は男子生徒(18)を襲った後、警戒中の男性巡査(29)の頭を切りつけた。巡査は同僚に取り押さえるよう叫んだが、付近にいた捜査員は金川容疑者の逃走を許した。金川容疑者は通路を西から東に駆け抜け、別の6人にも切りかかったが、その間も捜査員は容疑者を見失った。結果的に再び西口に戻った金川容疑者が約400メートル離れた無人の交番から通報したことで逮捕できたという始末だった。

 県警の石井孝刑事部長は会見で「二次犯罪を絶対起こさせない阻止するということでやってきたが残念」と話した。

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