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2008年03月21日(金) 19時46分

有害サイトの法規制は是か非か 自民党真っ二つ朝日新聞

 インターネットの出会い系や自殺などを扱う有害サイトの規制をめぐり、自民党内の意見が割れている。高市早苗・前少子化担当相を中心とした党青少年特別委員会は、有害性を判断する行政委員会を内閣府に新設し、閲覧を制限する議員立法案を19日、内閣部会に提示。一方、法規制に慎重な総務部会は、業界の自主規制に任せるべきだとして、対立が続いている。

 出会い系サイトをきっかけに買春などの被害に遭う18歳未満の子どもは06年に1153人に達した。携帯電話各社は2月から、使用者が未成年の場合、有害サイトを見られないよう接続を制限するフィルタリングを原則加入とし、業界団体はサイトの審査を行う第三者機関を近く発足させる。

 だが、高市氏は「対策は不十分で、有害サイトに簡単にアクセスできる状況は変わらない」と主張。議員立法案は、有害情報を「著しく残虐性を助長する情報」「著しく犯罪、自殺及び売春を誘発する情報」などと定義。業界の自主判断ではなく、独立した権限をもつ行政委員会が具体的な基準を定め、携帯各社やネットカフェ業者などにフィルタリングを義務づける。

 また、サイト管理者やプロバイダーに対して、有害サイトの閲覧を18歳以上の会員に限ることや、情報の削除を義務とする。違反した場合、罰金や懲役も設ける。

 一方、総務部会は19日、性急な規制強化を牽制(けんせい)しようと対策チームを発足。委員長となった山口俊一衆院議員は「青少年が犯罪に巻き込まれている現状をふまえつつ、表現の自由や関連業者の育成など多面的な検討が必要だ」と話し、4月末までに見解をまとめる。

 民主党も対策を検討している。ソフトバンクの孫正義社長は19日、民主党の会合に出席し、「特定の組織が検閲するのは恐ろしいこと。行き過ぎた規制強化は危険」と述べた。 アサヒ・コムトップへ

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