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2008年03月18日(火) 17時01分

振り込め詐欺:「ズボンにシミ」「お好み焼きに卵の殻」うその苦情で現金要求 /福岡毎日新聞

 ◇公衆電話で現金要求 1回400円〜10万円−−27都道府県で被害
 福岡県警が詐欺容疑などで逮捕した住居不定、無職、稲葉利洋被告(55)=詐欺罪などで起訴=が02年3月以降、九州全県と沖縄、山口など計27都道府県の飲食店に架空の苦情電話を掛け、現金を口座に振り込ませていたことが分かった。1回の要求額は400円から10万円で、厄介事を避けたいという商店主の心理を悪用した。県警は358件約410万円の被害を確認した。
 調べでは、稲葉被告は昨年8月20日、八幡西区の回転焼き店に「ズボンにあんこのシミが付いた。ズボン代3万2600円を振り込め」と電話し、口座に入金させてだまし取った疑い。「お好み焼きに卵の殻が入っていた」(400円を要求)▽「見舞いのメロンが腐っていて恥をかいた」(3150円を要求)▽「ケーキの中に髪の毛が入っていた」(6480円を要求)——などの手口を繰り返していた。
 女性ものの衣類が汚れたとして比較的高額な要求をする場合は「女は組長の娘ぞ」と暴力団関係者を装うこともあった。いずれも被害届がないため発覚が遅れたという。
 稲葉被告は図書館で全国の飲食店や果物店の電話番号を調べて公衆電話から現金を要求していたが、実際に店を訪れたことはなかったという。昨年11月、カレー店にクリーニング代を要求した際、振り込みではなくタクシー運転手に現金を取りに行かせたため発覚した。【太田誠一】
〔北九州版〕

3月18日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080318-00000225-mailo-l40