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2008年03月15日(土) 00時24分

旧フセイン政権とアルカイダ結ぶ証拠なし 米軍委託報告朝日新聞

 イラクの旧フセイン政権と国際テロ組織アルカイダの関係を示す「動かぬ証拠」はなかった——。米ABCニュースは13日、そう結論づける米軍関連の報告書の記者発表が、急きょ取りやめになったと報じた。

 この報告書は米統合軍が国防分析研究所に委託。米軍がイラクで押収した約60万点の文書や、旧フセイン政権幹部からの延べ数千時間にも及ぶ尋問をもとにまとめた。これによると、旧フセイン政権はイラク戦争前、さまざまなテロ組織を支援していたが、テロの主な標的は国内外の(反体制の)イラク国民だったと指摘。主な目的は国内の権力維持にあったとしている。

 報告書は公表を前提に作成されたものだが、政治的配慮から、12日に予定されていた記者発表がキャンセルになり、ウェブサイトに掲載する予定も取りやめになったという。ただ、米統合軍は、希望者には提供するとしている。

 ブッシュ政権は、旧フセイン政権とアルカイダの関係を強調し、開戦の根拠の一つになった。その後、米議会は「両者の関係はなかった」と確認する報告書を公表している。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/international/update/0315/TKY200803140396.html