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2008年03月12日(水) 14時35分

ビルからの立ち退き交渉、スルガ社が後藤組側に資金読売新聞

 東証2部上場の「スルガコーポレーション」が取得したビルを巡る弁護士法違反事件で、逮捕された大阪市の不動産会社社長、朝治(あさじ)博容疑者(59)が昨年、スルガ社から約5億円の提供を受け、東京都港区内のビルのテナントに入る指定暴力団山口組後藤組の関連会社の立ち退きを交渉していたことがわかった。
 関連会社は退去し、交渉費用の一部が補償料などとして支払われていた。スルガ社から後藤組側に資金が流れた事実が判明したのは初めて。警視庁は、朝治容疑者が交渉を引き受けた経緯を調べている。

 問題のビルは、港区麻布十番の8階建て(延べ床面積約1190平方メートル)のオフィスビルで、スルガ社が所有権を取得した昨年1月当時、8階に後藤組と関係が深いゴルフ会員権販売会社が入居していた。同社は数年前、別の事件で後藤組の関連先として警視庁から捜索を受けている。

 同庁の調べや関係者の話によると、このビルのテナントの立ち退き交渉の大半はスルガ社が自ら行っていたが、会員権販売会社の交渉は朝治容疑者に一任。朝治容疑者は、スルガ社から約5億円を受け取り、立ち退き補償料などを支払って退去させていた。

 警視庁では、難航が予想される暴力団関係者との交渉を朝治容疑者に任せることで、スルガ社が地上げ期間を短縮して利益を上げようとしていたとみている。

 後藤組は静岡県内に本拠を置き、「武闘派」と呼ばれる山口組の有力組織。関西を中心に活動する朝治容疑者は、関西を拠点とする山口組宅見組との親交が深いとされる。警視庁では、朝治容疑者が自らのパイプを駆使して交渉にあたっていたとみて、立ち退きで得た資金の流れについて調べている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080312-00000034-yom-soci