記事登録
2008年03月12日(水) 11時24分

<米国>中東軍司令官が辞任 イラン政策で大統領らと対立か毎日新聞

 【ワシントン坂東賢治】ゲーツ米国防長官は11日、イラクやアフガニスタンの米軍を統括する中東軍のウィリアム・ファロン司令官(海軍大将)が辞表を提出、これを受理したと発表した。今月末に正式に辞任する。対イラン政策をめぐるブッシュ政権内の対立が背景にあるとみられる。

 米月刊誌「エスクワイア」最新号は、対イラン政策をめぐり、平和的解決を求める司令官が、強硬姿勢を変えないブッシュ大統領らの政策を「役に立たない」と批判するなど対立が続いているとの記事を掲載した。

 司令官は11日の声明で「政策目標に違いが存在するとは信じない」と強調した上で、「(違いがあると)見られること自体、職務履行を難しくする」と述べ、雑誌報道が辞任に結びついたことを認めた。ただ、司令官は昨年9月、イランとの緊張を誇張することを批判し「戦争はない」と明言するなど強硬論に異論を唱えてきた。同誌報道にも自ら協力したとみられ、確執が表面化したため、事実上更迭されたとの見方も出ている。

 また同誌は、司令官が更迭された場合は、対イラン攻撃の可能性が高まるとも指摘した。しかし、ゲーツ長官は「(辞任の)決定が対イラン政策の変化の前兆と考えるのはおかしなことだ」と述べ、そうした見方を否定した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080312-00000026-mai-int