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2008年03月11日(火) 00時00分

分散コンピューティング(ぶんさんこんぴゅーてぃんぐ)読売新聞


絵・唐沢なをき/文・唐沢よしこ

 いきなりたとえ話で恐縮ですが、急いで千個のジャガイモの皮をむかなければならなくなったとします。ジャガイモの皮むきのプロを雇ってむかせようとしたけれど、お金がなくてギャラが払えません。

 そこでヒマな友達を百人集めて10個ずつ皮むきをやってもらうことにした……と、分散コンピューティングとは、簡単に言うとこんなカンジのものですワン。

 大量の複雑な計算処理を一台の高性能コンピュータでやるのではなく、ネットワークでつないだ複数の低性能コンピュータで並列に処理を行い、高性能コンピュータ並みの速さで作業出来るようにしよう、という仕組みのことです。分散コンピューティングはグリッドコンピューティングという別名もあります。

 分散コンピューティングは一般人も参加できるプロジェクトがたくさんあります。エイズやガン治療の研究など医療に貢献する研究から、地球外生命体に関する宇宙生物学の研究など、ボランティア精神、科学の心を刺激するものがそろっていますワン。日本産の分散コンピューティングでよく知られているものには、東京理科大学が主宰するTANPAKUというタンパク質の立体構造予測を行うプロジェクトなどがあります。

 これらはご家庭のパソコンの余った処理能力をボランティアで提供する、という感じで、通常の作業にはまったく影響なく参加できます。少し検索をかけると簡単な導入方法の解説ページもたくさんありますので、興味が出た方は調べて参加されてみてはいかがでしょう。ワンワン。

http://www.yomiuri.co.jp/net/column/yougo/20080311nt01.htm