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2008年03月10日(月) 08時00分

東京の会社役員、白骨遺体 強盗団の男、殺害供述 知人が依頼、近く2人逮捕産経新聞

 静岡県富士市の山林で平成18年10月、東京都江戸川区平井の運送会社役員、栩野(とちの)雅晴さん=当時(66)=の白骨遺体が見つかった事件で、元暴力団組員を中心とする強盗団の男が、警視庁捜査1課と静岡県警の聴取に「首を絞めて殺した」と犯行を認める供述を始めたことが9日、分かった。捜査1課は、近く男2人を死体遺棄容疑などで逮捕するとともに、男らは栩野さんの知人から殺害を依頼されたとみて、小松川署に捜査本部を設置して全容解明を進める。

 一方、中国に逃亡しているとみられる主犯の元組員について、捜査1課は国際刑事警察機構(ICPO)を通じて所在確認を行う。

 調べでは、元組員を中心とした強盗団は東京都内や神奈川県で、多額の現金を持ち歩く会社経営者らをターゲットに犯行を繰り返していた。手口は会社事務所に乗り込んだり、路上で拉致して監禁するケースもあったという。

 栩野さんは運送会社で土地取引を担当する役員で、数百万円を持ち歩くことがあった。強盗団は栩野さんを路上で拉致した上で、首を絞めて殺害し、遺体を捨てたとみられている。

 強盗団のうち、別の強盗事件で神奈川県警に逮捕された男が、「(元組員から)栩野さんを襲う計画を持ちかけられたが断った」などと話し、捜査1課は、強盗団が栩野さんを殺害した可能性が高いとみて捜査。強盗団の男らは、事件への関与を否定していたが、最近になって、うち1人が殺害を認める供述を始めたという。

 栩野さんは18年9月7日朝、自宅から普段通り出勤。都内の法律事務所へ仕事上の相談に出向いたのを最後に連絡が途絶えた。自宅近くの駐車場に同日夕、栩野さんの車が止まっているのが確認されたが、翌8日になっても自宅に戻らず、携帯電話も通じなかったことから、妻が警視庁小松川署に捜索願を提出していた。

 栩野さんは10月1日に静岡県富士市大淵の富士山麓(さんろく)で白骨化した遺体で発見された。持ち歩いていた財布やキーケースなどは見つかっていない。

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