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2008年03月10日(月) 10時08分

片岸被告ら 「もう苦しめないで」 東京 冤罪防止街頭で訴え西日本新聞

 北九州市の男性殺害事件をめぐり殺人と非現住建造物等放火の罪について無罪判決を受けた片岸みつ子被告(60)が9日、東京・有楽町で行われた冤罪(えんざい)防止に向けた街頭活動に参加。「無罪判決で終わりではない。もう捜査当局は私たち家族を苦しめないで」と検察側に控訴しないよう訴えた。

 活動は死刑囚の再審請求を支援する市民団体が主催。冤罪を訴える元服役囚や支援者、被告全員の無罪が確定した鹿児島県の公選法違反事件の関係者らも参加した。

 北九州市の事件では、福岡地裁小倉支部が拘置先の同房者を通じて「自白」を得たとする捜査手法を批判。一貫して否認していた片岸被告は無罪判決を受け、3年9カ月ぶりに釈放された。

 長男の和彦さん(33)とともに街頭に立った後、記者会見した片岸被告は「逮捕から10日後、夫が自殺したと聞かされて泣いていると、『うそ泣きするな』と捜査員から無理やり自白を迫られた。同房者の思いもよらない話で重い罪を着せられた。もう弱い者いじめをせず、警察は真犯人を捜してほしい」と訴えた。10日にも法務省に控訴断念を申し入れるという。

 鹿児島の事件で捜査員に「踏み字」を強要された川畑幸夫さん(62)は、「自白の強要を防ぐには取り調べを全面可視化(録画・録音)するしかない」と訴えた。

=2008/03/10付 西日本新聞朝刊=

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080310-00000003-nnp-soci