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2008年03月10日(月) 00時00分

暴力団の恐喝被害女性に、上部組織の組長が解決金朝日新聞

 暴力団山口組系の暴力団幹部らに現金を脅し取られた京都府内の女性(32)が、上部組織の組長に使用者責任があるとして1620万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審が、大阪高裁(大谷正治裁判長)で和解した。原告側の弁護士が10日公表した。和解条項は使用者責任の有無に触れていないが、組長が解決金1千万円を支払う内容で、原告側は「実質的に組長が責任を認めたものだ」と評価している。

 和解は2月18日付。昨年4月の一審・京都地裁判決によると、暴力団幹部らは03年、交通事故の保険金を受け取った女性に対し、示談交渉などに関与したように装って「たくさんの人が動いた。ただで済ますつもりか」などと言いがかりをつけ、計1160万円を脅し取った。

 一審判決は、上部組織の組長の使用者責任を認めて1265万円の支払いを命じた。組長側は控訴していたが、大阪高裁の和解勧告を受けて和解が成立した。

 原告側の弁護士は和解内容について「脅し取られた額の8割超の金額を暴力団の責任者から回収でき、被害回復の点で極めて意義がある」と評価している。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200803100057.html