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2008年03月09日(日) 19時52分

シー・シェパード非難声明を採択 IWC中間会合朝日新聞

 捕鯨賛成派と反対派が激しく対立する国際捕鯨委員会(IWC)の正常化を話し合う中間会合が8日までロンドンで開かれ、日本が提案した、米国の反捕鯨団体シー・シェパード(SS)を非難する議長声明を全会一致で採択し、3日間の日程を終えた。

 会合では「必要以上に投票を行わない」「問題が起きたら冷却期間を置く」「テーマごとの小部会設置を検討する」など、九つの提言をまとめた。6月にチリ・サンティアゴで開かれる年次総会に提案し、採用の可否を決める。

 採択された声明は、日本の調査捕鯨船「日新丸」がSSの船から薬品入りの瓶を投げられ、海上保安庁職員ら3人が負傷した事件について、「海上での船舶の活動に関する人命と財産に危険を及ぼすすべての活動は受け入れられない」と非難している。

 今回の中間会合は、54カ国、NGOなど35団体の代表者らが出席。対立の解消を図るため、地球温暖化など過去に難航した国際会議で交渉を主導した外交官や大学教授を招き、アドバイスを受ける工夫をした。

 決定権を持つ会合でないため、各国が意見を出し合う形だったが、賛成・反対両派は、新たな提案を出したり、水面下で2国間の交渉を行ったりして主導権争いを続けた。

 中でも反対派の代表格オーストラリアは8日、IWC改革案を示し、クジラを殺さない調査を日本と一緒に南極海で行うことや、調査捕鯨をIWCの合意に基づいて行う基準を設定することなどを提案。日本の調査捕鯨を縛るもので、水産庁は反発、「中間会合は総会の準備の意見交換の場。捕鯨問題の中身を話す位置づけではない」と評価を避けた。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/international/update/0309/TKY200803090151.html