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2008年03月08日(土) 19時19分

取り調べの問題を考えるシンポ 京都弁護士会がパネル討論京都新聞

 警察や検察の取り調べ過程の問題点を考えるシンポジウム「警察につかまったらどうなるの?」が8日、京都市中京区の京都弁護士会館で開かれた。秘書給与流用事件で服役した元衆院議員の山本譲司さんや鹿児島志布志冤罪(えんざい)事件の当事者が討論し、警察署の留置場を監獄代わりにする代用監獄の廃止などを訴えた。
 京都弁護士会が主催し、市民ら約140人が参加。パネル討論には山本さんのほか、2003年の鹿児島県議選をめぐる選挙違反で無罪となった中山信一さん、シゲ子さんの夫妻、弁護人の井上順夫弁護士が招かれた。
 井上弁護士は、志布志冤罪事件について「任意同行時点から食事も自由にさせなかったり、トイレに監視を付けるなど問題があった。逮捕後の取り調べでは接見禁止や長期拘留で絶望的な状況に追い込んだ」と指摘。中山信一さんも「妻が犯行を認めたとうそをついたり、刑事が土下座をしたりして自白を迫った」と述べ、密室での取り調べの問題点を列挙した。
 山本さんは、宇都宮市の知的障害のある男性が強盗事件で冤罪になったケースを挙げ、「受刑者には知的障害者も多い。ずさんな取り調べでやってもいない罪までかぶせられている可能性もある」と代用監獄の廃止を主張。井上弁護士も「任意同行も含めた取り調べの可視化を進めるべきだ」と会場に呼び掛けた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080308-00000025-kyt-l26