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2008年03月07日(金) 20時57分

五菱会のヤミ金被害、2億9千万円支払い命令 東京地裁朝日新聞

 山口組系旧五菱会によるヤミ金融組織を統括したとされる梶山進受刑者(58)=組織的犯罪処罰法違反で有罪判決が確定=に対し、被害者176人が、約5億3000万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は7日、約2億9000万円の支払いを命じる判決を言い渡した。鹿子木(かのこぎ)康裁判長は「違法かつ無効なヤミ金融営業により、被害者から金を取り立てることを指示命令した使用者責任がある」と認めた。

 訴訟では、ヤミ金業者が被害者に貸し付けた額を損害から差し引くべきかどうかが争点だった。被害弁護団長の宇都宮健児弁護士は「被害の全額を損害と認め、ヤミ金融の息の根を止めることにつながる画期的判決だ」と評価した。

 鹿子木裁判長は、ヤミ金融の店長らが出資法の上限の数百倍から数万倍の利率で、被害者に短期の貸し付けを繰り返しており「取引そのものが公序良俗に反する」と指摘。「数々の脅迫行為で多大で継続的な支払いを余儀なくさせており、貸付金の額を差し引くべきではない」と述べた。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/national/update/0307/TKY200803070277.html