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2008年03月07日(金) 15時01分

<弁護士法違反>都心ビルを光誉購入、同日スルガへ売却毎日新聞

 東証2部上場の不動産会社「スルガコーポレーション」(横浜市)のビル地上げを巡る弁護士法違反事件で、スルガ社が昨年5月に都心のビルを購入した際、建設会社「光誉実業」(大阪市)をいったん介する形で取得していたことが分かった。警視庁組織犯罪対策4課は、スルガ社から光誉に売買手数料名目などで資金が渡った可能性もあるとみて、売買の経緯を調べる。

 登記簿などによると、スルガ社が購入したのは港区北青山の8階建てビル。土地はスルガ社が07年2月に千代田区の不動産ファンド会社から購入した。

 ところが、建物は07年5月30日に光誉が同じ不動産ファンド会社から購入した後、同日中にスルガ社に売却されていた。光誉がビルを所有していたのは1日足らずだったことになる。このビル2階には摘発直前まで、逮捕された光誉社長の朝治博容疑者(59)の親族が代表を務める光誉のグループ会社が事務所を構えていたという。

 スルガ社は03年7月〜06年6月、都内で5棟のビルの地上げを光誉に依頼。数十億円に上る巨額の報酬を支払っているが、いずれのケースでも光誉は売買自体には関与していない。組対4課は、いったん所有権を光誉に移し、スルガ社に転売する形にすることで、売買手数料や売買差額として、光誉に資金が流れた可能性があるとみて追及する。

 スルガ社の岩田一雄会長(69)は4日の会見で、光誉と暴力団との関係について「昨年6月に取引銀行から指摘があって初めて知った。新規の契約をやめ、継続中の契約も途中で打ち切った」としたうえで、「一部が継続というか残っていた」と関係遮断が完全にはできなかったことも明らかにしている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080307-00000060-mai-soci