記事登録
2008年03月07日(金) 15時01分

スルガ社幹部「ビル売った」=別物件でも所有権移転仮装か−地上げ弁護士法違反時事通信

 東京都心のビル立ち退きをめぐる弁護士法違反事件で、東証二部上場のスルガコーポレーション(横浜市)が光誉実業(大阪市)に交渉を依頼した5物件の一つで、スルガ社幹部が入居者に「ビルは売った」と説明していたことが7日、分かった。
 警視庁組織犯罪対策4課は交渉を進めるため、事件の舞台となったビルと同様に、スルガ社や光誉実業社長朝治博容疑者(59)らが所有権移転を装った疑いがあるとみて調べている。
 スルガ社は2005年3月、東京都渋谷区の地上10階建て商業ビルを取得。企業や飲食店などが退去した後、06年6月に売却した。
 関係者によると、光誉実業役員を名乗る男が05年3月ごろ、各テナントを訪れ、立ち退き交渉を開始。男は趙浩一容疑者(43)で、所有権がスルガ社から光誉実業に移転したとする文書を示し、1年以内の退去を求めた。
 ある入居者がスルガ社を訪れて事実確認を求めると、総務部長兼法務室長(当時)は「手放した」と回答。「売ったとは聞いているが、詳しい話は知らない」と繰り返すだけで、経緯は明確に答えなかった。契約書なども見せなかったという。 

【関連記事】 スルガコーポが150億円提供=光誉実業側の収入数十億か-5物件の「地上げ資金」
【関連記事】 スルガコーポを家宅捜索=都心ビル地上げ事件
【関連記事】 所有権移転、虚偽と指摘に朝治容疑者「まあ分かるでしょ」=ビル立ち退き-警視庁
【関連記事】 スルガ社が42億提供=光誉側収入10億円超か-地上げ弁護士法違反事件・警視庁
【関連記事】 不動産社長ら10人逮捕=ビル立ち退きで弁護士法違反-スルガ社が依頼・警視庁

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080307-00000092-jij-soci