記事登録
2008年03月07日(金) 02時32分

<新銀行東京>融資先600社が破綻、86億円焦げ付く毎日新聞

 経営再建のため東京都に400億円の追加出資を要請した「新銀行東京」の融資先企業のうち、現時点で約600社が破綻(はたん)し、計約86億円が焦げ付いた状態にあることが分かった。これらはまだ取引先となっているが、取引を中止した企業を含めると、破綻した融資先はさらに増えるとみられる。

 経営トップの津島隆一代表執行役ら現経営陣が6日、都議会の自民、民主、公明の3会派に再建計画について説明。このうち民主との単独の会合で明かした。それによると、融資先は約1万3000社で、このうち約9000社は優良企業。残りの約4000社のうち、破綻企業が約600社、返済が6カ月以上滞った企業が約1100社(融資残高約132億円)に上る。多くが回収の見通しが立たないとみられ、約520社(同約54億円)は3〜6カ月、返済が滞っているという。

 会合は非公開で、出席議員によると、津島代表執行役は「追加出資を要請する事態を招き深くおわびいたします」と頭を下げたという。報道陣からの質問には無言だった。

 新銀行は発足当初、原則無担保・無保証の中小企業向け融資を主力商品に据えた。相手先の財務諸表の分析に頼った簡易なスピード審査による融資を行い、不良債権を急増させた。07年9月中間期までの累積赤字額は936億円。【佐藤賢二郎、木村健二】

【関連記事】 新銀行東京:中小企業経営者の6割近く「早急に整理を」
【関連記事】 クローズアップ2008:新銀行東京、苦肉400億円増資 展望なき再建
【関連記事】 新銀行東京:楽天との提携解消…馬券販売など資金決済事業
【関連記事】 新銀行東京:民主ヒアリング 「破たん状況でない」金融庁
【関連記事】 新銀行東京:経営悪化、石原知事が責任認める

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080307-00000008-mai-soci