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2008年03月06日(木) 00時00分

能代商議所・補助金受給問題 元専務理事兼事務局長インタビュー読売新聞

「独断で指示」不正関与認める

 能代商工会議所が2002〜06年度に国や県、市の補助金を計2700万円以上も不正受給していた問題で、2000年4月から06年2月まで専務理事と事務局長を兼務した男性(60)が読売新聞の取材に応じ、「補助金500万円以上が余った通帳を見て、私の独断で一般会計に入れるよう指示した」と不正行為にかかわったことを認めた。ただ、「補助金を受けた事業はきちんとやったつもりでいた」とも語り、領収書などの偽造とは無関係だと強調した。

 元専務理事の説明によると、04年4月に、02、03年度に受給した「電源地域産業育成支援補助金」のうち計515万円が余っていることに気づいた。当時の会計担当者から補助金を管理する通帳を、たまたま見せられたことがきっかけだという。「本当はゼロでないといけない。誰かと相談すると、(不正行為の)共犯にしてしまうので、私の独断で一般会計に入れた」と認めた。

 こうした行為について、「ずっと『いけないことをした』という気持ちがあった。反省して1月に東北経済産業局に投書した」と語った。

 ただ、補助金の実績報告書に添付された領収書などがすべて偽造だったことについては、「添付書類の偽造を指示したことはないし、偽造したものだという認識もなかった」と述べた。

 県は3日の県議会農林商工委員会で、同商議所で実態のない出張や、規程にない「精勤手当」の支給など不適正な会計処理が続いたことを挙げ、元専務理事について「厳正かつ堅実なる態度が欠けた業務運営を行ってきた」と指摘した。

 これに対し、元専務理事は、出張旅費については「実際は商議所の車で出張することがほとんどだが、公共交通機関の使用を前提に前払いするルールがあった。二重払いになるので、一部を一般会計に入れた。私自身も、そうしていた」と釈明した。また、「精勤手当」については、「一般企業には導入しているところが多い。正副会頭に相談した上で商議所にも導入した」と反論した。

 同商議所内では、「内部では『天皇』と呼ばれるほど絶対的な存在。逆らえる人はいなかった」との声もある。元専務理事は「人間関係があるので、私を嫌いな人は当然いるだろう。しかし、私に反論できないという雰囲気はなかった」とかわした。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/akita/news/20080306-OYT8T00036.htm